「シン…じゃない、お兄ちゃん麻雀しよ。」
…この激ワザとらしいのは、いつの間にか俺の妹という事になっている、ジュンコと名乗っている、ハッキリ言って魔物(自称妖精)である。もちろん見た目は普通の人間だ。
(てゆかいつまで居ンのオマエ)
それが何だか判らないが、最近妙に麻雀をやりたがる。と言っても俺は麻雀なんか知らなかったんで、仕込まれているといった方が的を得ているかも知れない。
そういう俺でも、麻雀って確か四人でするモンじゃなかったかなーという事ぐらいは知っている。
が、コイツは何だか二人でやりたがる。
La semblable. (似てる人)
二三四七七ABC23344 ツモ「2」
「ええと?ツモ・タンヤオ・ピンフ・三色・イーペー、ハネ満だわァ!
どうやら判って来たみたいね?
よし、久しぶり行ってみよー♪」
−行くって…?− ドコに?
「決まってンじゃん、モトの頭の中によ。」
…はァ?あれはもう終わった事なんじゃ?
「ところが…あんな事があったからかしら、な〜んか魔界と通じちゃってるのよねー、あの頭ン中湧いちゃってワルモノが。
だから今度こそ、シンの力で守って欲しいワケよ、麻雀で。」
…そこがオカシイ。
「さ、寝て寝て、添い寝添い寝。」※妄想厨仕様※
…はっ、ここは…さっそくその戦場(賭場)か。遠くに何か見える。
近付いてよく見ると、黒いモヤの中に手足を拘束された人影…。
…モト?茨の冠が気になるけど…パンドール、じゃね?元々身体は同一人物だし。成仏出来んかったか。黒いモヤの様なモノが形を成す!
いったい何が起こるんです?
「貴様は何者か。我が意志を阻むの心づもりか。
面白い、本気を出せば軽く片手で片付けられるが…どら、遊んでやるか。
ほお、麻雀を所望か。まあ良かろう。」
※目競(めくらべ・夢の中でゲームさせるヤツ)か。(ぬ〜べ〜 190 話参照)※
どうやら悪役らしいのが何か言ってる。机の様な出っぱりが足元からせり上がり、雀卓となった。自動的に牌を混ぜて並べてくれるらすぃ(書いててバカらしい)。
何だこの予定調和は。
「来たわ、シン。日頃の成果を発揮するのよ。
あなたのあいのぱわーがパンドールにやすらぎとかいほうをあたえるのよ(棒」
…完全無欠に棒読みやんか。
このルールでは、その内にたいていツモアガリ出来てしまうワケで、すなわち多少手は悪くとも早アガリこそが命である。だからこその四翻縛りだが。
一六BCFH59東西北白中 ドラ「7」
うぅ〜む、まるで九種だなこれゎ…
ツモ:「白」…ふむむ、ウンコ手でもアガるを第一に考えれば、だな。
打:「西」
(数順後)ポン! BCDEF678東東 白白白 打:「北」
おお、気付いたら三面張やんか。ほら出た、ロ…
「待ってッ!四翻縛りだってーのッ!」
…忘れてました。うむぅ、ここから無理ホン大作戦か、こんなやり方してる奴いたっけ。
BCCCD東東 白白白 DEF ←チー
その後、奇跡的(どこが)に、ツモ「東」にてアガる。
東・白・喰いホン、40符四翻にて、無事に満貫達成。
…すると、パンドールを覆っていた何か変な「装甲」の一部がバン!と弾け飛んだ。
なるほど、そういう仕組みか…って、これまさか脱衣麻雀?!
まァ、点数計算無しで気楽だが…
「ふん、そんなやり方では先が無いぞ。」(←やや悔しい)
四六六八九FFG2679西白 ドラ「1」
親番である。やはり、打:「西」
(数順後)六六六七八九FGH1279 ツモ:「1」
うむ、ワザとらしい形になって来た。これは…リーチ・打:「2」
すると程なく「8」が出て来てしまった、ツモ。
リーチ・ツモ・三色・ドラ2…ハネ満だ!
バン!…バン!と剥がれる装甲、ほっほぉ〜♪こりゃぁ愉快。
「お兄ちゃぁあ〜ぁんッ。 (一д一 )←冷ややかな目」
なっ、何だ!がんばるのが悪いのか!
「だぁって〜、そんな端カン待ちとかリーチするとか…」
その後、まさかのノーテン親流れ。
モトの身体の謎の装甲もちょっとだけ修復(罰符分)されて、南一局。むこうの親。
一二二五七BEG27南發中 ドラ「北」
ちぃい、繋がりそうで繋がらない並びに、役有り字牌だからピンフを考慮するに迂闊に頭に出来ない。ドラも最低なフインキ、なぜか変換出来ない。
しかも数順後、
「リ〜チ。」(捨て牌:@西發G4南六中3
…と来た、これはヤバイ。ずっとツモれるルールで何だが、オリオリ大作戦敢行だ。
(この時点:一二二四五七@BEG245 ツモ「6」)
え〜字牌はともかく…見た所、色に遍在は無い…
通るだろうスジは「@−C」「D−G」「4−7」「3−6」
怪しいのは「?−六−?」ってところ、か。
リーチしたから、最低三翻の形、タンピンとか…だとドラ「北」は絡めないな。
とりあえず絶対安牌の「@」バチィン!
「…フッ。」 打:「8」
(一二二四五七BEG2456 ツモ「D」)
んや?「3」と合せて間四軒とかゆーヤツだ。「4−7」…いやそれわちょと…知ったかぶりはやめよう。
打ち回しタンヤオ食い逃げ大作戦。 打:「一」
「おっと、それだ若造…ロン。」
一九九HH1199北北白白
リーチ・チートイ・ホンロー・ドラ2+ウラ2、倍満!
(ガシャーーン)お、お、お、お〜判るかー読めるかー(ワーイカサマーツミコミーギャーギャー
モトの身体に謎の装甲が再びかぶさって行く…
あ〜キミキミ、ほら、そこら辺ホラ大事な所、ね?…は避けられんモンかなーやっぱ、jk
おいそんなに隠したいンかッ!!!
「ちょ、お兄ちゃ…シィ〜ン、何壊れてンの?」
一一五六九AE357白中中 ツモ「中」 ドラ「4」
とりあえず幸先の良い中アンコを得た。しかし四翻または満貫縛りなので、特急券、というより入場券。
どうも他の牌も字面が宜しくなく…おお、ドラを入手、ついでに面子も出来た。
しかしこれでやっと二翻。迂闊にリーチかけたくないし、だいいちそれでも足りないし。
…!四枚目の「中」を入手。すると…
「あむ♥」(シンの耳を噛み噛みする)※妄想厨仕様※
痛!キサマ何をかんで… はァ… まさか、やれっての?(言えよ)
カンッ! 一一一五六345白白 ■中中■ …カンドラは…「H」ハズレ。
で、リンシャン……「七」 ハゥッ(゚Д゚;)(フリテンの元!)
ボソッ「シン、それでアガリよ。
…え?リンシャン・中・ドラの三翻だけって?
20 + ヤオチュアンコ 8 + ハクアタマ 2 + ヤオチュアンカン 32 = 62符 → 70符
70符は三翻で満貫なのよ。
『または満貫縛り』のルールでしょ。」
←参考図
(ほぅ、そりゃ初耳だ)
(…とは言え、知ってた風な顔で)ツモォオッ!
満貫ッ!装甲バーーン!!
【追記】…70符は三翻で満貫!使えるッ!と思ったら…
なんか思いっきり『てん』のパクリっぽいですが、知りませんでした。パクるなら他の牌でやるわぃ (`へ´;)
左「満貫…おのれ、ルールの盲点を突きおって。」※という程ではない※
右「シン、流れはこっちだわ!トドメを刺せッ♥」
二二三八DFF25799東東 ドラ「E」
さぁて、オーラス。ヤツも当然一発ひっくり返しを狙って来る事だろう。という事は当然手は遅くなるはず、こっちも時間をかけられる…という希望的観測。
よし狙おうあれを。 打:「D」…いきなりドラ絡みを捨ててしまう。
で、ツモ「東」…寄っ付いてる感あるな、マジ。
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もう何順目だろうか。互いに鳴かない。ピリピリした進行。
相手の捨て牌、索子が少ない。「5」や「7」はあるな…
二二二FFF2599東東東 ツモ「9」
おお、暗刻四つ…対子場?ま、好きなだけ(四十数回?)ツモれるワケだし。
さて…捨てるは索子の「2」か「5」、となるが、向こうの挙動も怪しいし…
あ?ああ!あの辺か。緑が…いっぱい。
じゃ、真ん中赤い緑を一つ…安牌だし。 打:「5」
「……」 ツモ→打:「H」
何か言いたげな気配だな。 ツモ:「四」
すると「2」辺りで待ってる…「2」の取り合いか?
こっちが一枚持ってるから…222か22か2…
三枚持たれてたらこっちは「死に待ち」だ…ああ…それなら…そうだよ、違ったか?
打:「2」
「ぐ…、フフッ。」 ツモ→打:「B」
ボソッ「何であんなモン捨ててンのよ、ホレてまうやろ。」
いやあれだ、フリテンツモ狙いってヤツ?じゃなかったけかな〜思うて。
※「23344666888發發」とか? ツモ「2」で役満、「5」がフリテン ('A` )
【追記】…と思ったけど、二人麻雀だから『山越し』しまくりだからえ〜と、もぅイイや (´;ω;`) ※
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ツモ:「四」 …あれ。…きちゃったぜ、にゅるりと… タダの運マ〜ですた。疲れたし。
ツモ! 四二二二FFF999東東東 ツモ四
スーアン単騎。ま〜このルールならアレだが…一応、ダブル役満。
バンバンバーーン!…パンドールを覆っていた装甲が全て弾け飛んだ。
「うむむ…オノレ…これで勝ったと思うなよ。
ホントは儂ゎ麻雀は苦手なんだっ。」
あらら、親はこっちなのに悪者は勝手にやめて帰ってしまった。まー「飛んだ」という事か。
「ありがとう、シン。もう少しで『悪』に取り込まれて、人間を破滅させる所でした。
これで思い残す事無く天界へ戻れます…」
いや〜こっちもマンガやら小説やら以来、ずーっとただ傍観しっぱなしだったから、やっとお力になれたと言うか…
そうして、パンドールは消え去った、裸のマンマ。
「どうやら無事に終わったね…
さて…どう?
今夜…アタシと
もう一勝負…!」
バカヤロー…誰がそんなこと…眠いし。
−完− ただのヘボ同士麻雀やんか。