「権平、 刀を持って来い!」


絵/稲生物怪録絵巻より

「稲生物怪録」とは =====================

○あらすじ

江戸時代は寛延二(1749)年のこと。備後(広島)、三次(みよし)の稲生平太郎(いのう へいたろう)は武士の子で、まだ十六歳の少年だった。
五月の末の夜、隣の相撲とり、三ツ井権八(みつい ごんぱち)と肝試しをすることとなり、百物語のあと、籤(くじ)を引けば平太郎に当たる。雨の真夜中、少年はたった独りで比熊(ひぐま)山に登り、触る者は誰でも物怪(もののけ)に憑かれるという古塚に目印を結びつけて帰る。
それからしばらくは何事も起こらなかったが、七月一日の夜、ひとつ目の大男が襲ってきた事件を始めとして、三十日間におよぶ様々な怪異にみまわれる。
来客はもちろん、退治しようと来た強者たちも皆、手をかえ品をかえて出現する妖怪を前に、逃げ出した。が、平太郎だけは平然と化物屋敷に独り残り続ける。そうして三十日めの夜、ついに妖怪の首領が姿をあらわすのだった‥‥

○簡単な解説

この『稲生物怪録(いのう もののけろく)』という本は、江戸時代の有名な国学者であり、妖怪にも大きな関心を寄せていた平田篤胤(ひらた あつたね 1776-1843)が編集したものといわれています。
平太郎が成人して稲生武太夫(ぶだゆう)と名乗り、人に語った話をまとめた実話として伝えられました。もちろん、平太郎は実在の人物です。

○訳について

先に「柏(かしわ)本」と呼ばれる、もっとシンプルな別バージョンをメールマガジン「江戸時代の怪談」に連載しました。Webページを作るにあたり、柏本の訳をベースに、有名な平田本の現代語訳を掲載しています。
変な所は狐につままれたと思って御勘弁を。

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