「胎」
私はこの身体の中にいることをとても心地よく感じている
この身体を貰う前は単なるエネルギー体だった
その時はちょっと「交流」するだけで
相手の意図や情報を瞬時に理解することが出来た
今はこの身体が境界となっている
全ては表現しないと伝わらない
全ての人が素直な表現しかしないわけではない
嘘をついて隠すこと
あえて演じること
これは肉体を持っていないと不可能なこと
こういうゲームに興じたくて
そればかりを楽しんでいる人もいるね
肉体がない時は全てが隠しようもなく赤裸々に伝わるので
例えば好きという気持ちだって伝わり重なり合うのは一瞬の出来事
だから自分の心がすぱぁくしている時は
エネルギーを読める体質を持続している人の前に出るのを躊躇する
隠し通すことが出来なくなるから
身体をもって境界を持つこと
それは新たなコミュニケーションの始まり
しちめんどくさいほど色々な手を使って
表現することを楽しむこと
この身体があるから
相手の手に触れた時に境界が揺れるし
お互いのしずくを舐め取ることもできる
この身体を使う権利を得たこと
なんだかそれだけで
とっても得をした気がしている
2007.12.