「傷口」
これほどまでに リアリストでエゴイストな塊(カタマリ)は初めて見た
でもそれを 醜悪だとか残酷だとか思うより先に
懐かしくて涙が出た
ここに いたんだ…と
鏡越しに触れてみた指先は 思いの他暖かくて
その内側にいまだ隠されたままの本質を 慮られた
怖くない もう触れることを躊躇わない
傷口はより固く そして深く ただ蒼い薬だけが それを溶かすことができる
そう
信じてみるのも 悪くない
2007.12.