とりあえず「感覚を断つ 」

なんだかルパンの五右衛門さんでも出てきそうなタイトルですが、そんな恐ろしい話ではございません。
人には五覚があります。
それは味覚、視覚、聴覚、嗅覚、触覚の五つです。
今回はこの感覚のうちの一つを断つことによるリラックス効果を試してみてください。

春風もやさしくなってきた今日この頃、自然の中に遊びに行きたくなりませんか?
そんな時に行う、取って置きのヒーリング法が「感覚遮断」です。
これを行うにはまず自分のサポートをしてくれる同行者を要します。
ドライブがてら、友達や恋人を誘って出かけるのも悪くないでしょうし、家族で身近な公園に出かけた際に行ってもいいでしょう。
さあ、誰と行くか決めましたか?
あ、そうそう、タオルかアイマスクを忘れないで(理由は後で説明します)。

それでは出発!
…で、目的地に到着です(早っ!!)。
すっきりとした空気を身体いっぱいに吸い込んだら、もうそれだけで幸せな気持ちになりますね。

さて、ここからゲームスタートです。
まず、どちらか一方が目隠しをしてください。
目隠しをしなかった人が最初はサポートに回ります。

目隠しをしたら、最初はただそこに立っていてください。
身体の緊張感をゆったりと解き放って…。
視覚を失い、光の明暗だけがうっすらと感じられる、それが最初の段階です。
「見る」という感覚への囚われが薄れてくると、今度は触覚(風があたる、etc.)や聴覚(鳥の鳴き声が普段以上に入ってくる、etc.)、はたまた嗅覚(春に咲き誇る花々の香りや近くのクレープ屋さんの甘いにおい、etc.)がそのもつ能力をフルに働かせようとし始めます。
五覚のバランスが崩れた分を自然に補おうとするのでしょうね。
自然の中で感覚が鋭くなるのは生き物として当たり前のことです。
これは生まれつきの反応と言っても過言ではありません。
ただちょっと普段は忘れているだけで(^−^;)

さて、そろそろ相棒さんにも登場していただきましょうか?
サポートの方は目隠しをしている方と軽く手を繋いでいてください(ここではあくまでもサポートですので、わざわざ握り替えたり手遊びしたりというようなデート仕様の手繋ぎは必要ありませんのであしからず)。
場合によってはサポートの方はそばで見ているだけでも結構です。
ただ、危険なところに行こうとしたり、危ないものに触ろうとした時はちゃんと止めてあげてくださいね。

目隠しをしているあなたは、自分の思う通りに動いてください。
いろいろなものに触って、その感触を確かめてください。
地面を踏みしめる感触、木に触れた時の湿り気、既に知っている筈の様々なものに新しい感覚を覚えるでしょう。触れた感覚でそれが何かわからなければ、サポートの人に聞いても構いません。
◆以前、ちゅりがやった時には、人の気配は見えなくても強く感じられることがわかりました。
だもので、目隠ししたまま気配のする方に「ハ〜イ☆」なんて手を振っていたら、
「You are cheating!」なんて茶化されたり(^−^;)
その時は隣のサポートの人の方がかえって慌ててましたっけ(大学のカリキュラムの一つでした)。

この実験をしてみると、日々一番酷使しているはずの視覚を休ませてあげるだけで、他の感覚が生き生きとして元気になってくることがおわかりいただけるだろうと思います。
そういう時に、新たな閃きというのも案外浮かんでくるものなんですよ☆
一人、長くても30分かな?じゃないと、サポートの人は飽きちゃいますから。
「じゃあ一緒に目隠しすれば?」って言われそうですけど、それは危険なのでやめてください。
視覚を奪うというのは、それだけ危険なことなんです(例えば、パイロットの裸眼視力が高くないといけないのはいざという時のためって…、わかりますよね?)。
そうそう、感覚をクリアにした後で同じ風景を改めて見直してみると面白いでしょう。まるで知らなかったもの、見過ごしてきたものが沢山あるパラレルワールドに来たみたい…とは言いすぎでしょうか?

それに、これにはちょっとしたオマケが。
目隠しをした人とサポートをした人の間の信頼関係の強化です。

「見えない」≒「不安」→それを助ける(取り除く)→「安心」≒「信頼」

というこの図式、おわかりいただけますか?
ですから、こういうのはカップルでやっていただけるとかなりよいかな、と思います。
お子さんとやるのも感覚を育てるという上でかなり有効です。
タオルくらいなら持っていってもそう怪しまれはしないと思いますので、「こういうゲームがあるんだけど」と相手の反応を見て実験してみてくださいね。

勿論、無理にそんなことしなくてもいいんです。
自然の中で二人、のんびりできればそれだけで幸せですもんね☆
普段の生活の中でも危険でない程度にふと道端で立ち止まり、目を閉じてみる。これだけでもゆっくり気持ちよく、呼吸ができる事がわかるでしょう。
「春先だから、また変な人が…」なんて言われない程度に心地よい季節を満喫してください。

《 道具持参の理由 》
目隠しの道具は必ずしも必要ではありません。ただ人には見たいという「好奇心」と自分の持つ能力(この場合は「見る」)を使おうとする「本能」があるので、自力で目を閉じていてもふと気になることがあれば目を開けてしまいがちです。それはあらゆる感覚を鋭敏にという感覚遮断の実験的意味にそぐわないので道具の使用をオススメしました。

このきな臭い時代に、否、きな臭い時代だからこそ、あえて自然の中に入り、
自然を感じ、改めて自分自身や周囲の物事を見つめなおしてほしいと思うのです。

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