とりあえず「早寝早起き」

あなたの睡眠の質はよい方だと思いますか?

それを簡単に診断することができるのです。
眠っている時間の長短は診断には影響ありません。
(ただし生活上どうしても夜間活動型であるという方は除きます)
どこで見るかというと、「毎日午前10時から12時の間、全く眠くなることなく、しっかりと活動できるか」というところ。

人は体内リズムが正しいと午前4時前後と午後2時前後に眠気が出るようです。
その代わりに午前10時から12時までは身体機能を十分に使えるようにホルモン分泌が整えられているとか。
もしあなたがこの時間帯に眠くなってしまうというのであれば、まず朝日を浴びるようにしてください。
そして夜は早目に明かりを暗くしてください。
それが生体時計と地球時間とのずれを短くするための最も簡単かつ重要な方法です。

人は光にあたることなく生活していると、元々の生体時計にしたがってどんどん遅寝遅起きにずれ込んでいきます。
慢性の時差ぼけにならないためにも、朝はしっかり起きて太陽光を浴びたいですね。

あと、寝る子は育つといいますが、実際のところはどうなのでしょう?
身体の成長ホルモンは寝る時に分泌が不足すれば昼間に分泌されていきますが、頭や心を育てるホルモンは主に夜の分泌になるといいます。
ですから、何時間寝たかよりも何時に眠っていたかが重要なのですね。
自然のリズムにのっとった良質の睡眠で、お肌も頭もパワーアップしちゃいましょう☆

ついでにセロトニンのお話。
セロトニンとは心に関わる神経伝達物質のうちの一つであり、脳の発育に重要な役割を果たすものです。
現在はうつ病の薬としても使われており、特に感情制御(攻撃性の低下など)に効果が見込まれます。
簡単に言うと、この物質の働きによって、人々は社会性を育て、コミュニケーション能力を高めているのです。

しかも驚くべきことにこのセロトニン。
人の1.5歳〜2歳までに相当する時期に広く分布し、基本的な大脳構造を決めてしまうとか。
言わばその時期の過ごし方如何で、人の脳の力(傾向・方向性)が決まってしまうのです。
それゆえ特に2歳頃まではセロトニンの働きを押さえないようにしたいものですね。

ではその時期にセロトニンの活動レベルを上げるためにどうするべきかと言うと、起きて朝の光を浴びること。リズミカルな運動をすること。主にこの二つがポイントです。
まだ子供が小さいからと言って侮ってはいけません。
その小さい体の中では将来の精神的傾向(障害)をも含めた可能性が、細胞レベルでむくむくとはぐくまれているのですから。
早寝早起きの習慣は、いつからつけ始めてもおかしくありません。
…というより、できるだけ早く慣れさせることが望ましいようです。
その子の将来の精神的健康のためにも。

今回は神山潤先生著「『夜ふかし』の脳科学」(中公新書)を参考にさせていただきました。
全部読むともっと面白いんですけど、特に興味があったところのさわりだけを簡単に紹介させていただきました。脳ってつくづく面白いですね(笑)☆

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