なんだかものものしいタイトルですが、精神科医の香山リカ先生の本より考えていきましょう。
ライフスタイルに関連してうつになるということ、これは症例的に女性に多いというんですね。
男性のうつや自殺の要因が仕事など過労によるストレスがほとんどだとすれば、女性のストレスの原因はそれこそ様々(子供・恋愛・仕事・結婚など)で、一くくりにはできないのが現状です。
男性のストレスは周りの女性が気を利かせることで軽減されていることも多いのだとか。
うつの年齢層にはかなりの開きがあるそうで、一応ピークは44歳らしいです。
香山さんの本は実際の症例を元にしているので、かなり読みやすいんですよね。
女性のうつの患者さんにまず聞くことは、「生理はいつですか?」ということ。
PMSの時期にうつだと思って来院される方も少なくないそうです。
これは、ホルモンバランスの関係でどうしようもないこと。
そういう時期もあって仕方がないものだと、ある程度は割り切る必要がありそうです。
逆に、危険なのが更年期。
実際はうつの症状なのに、「更年期だからだわ」と勝手に納得してうつを重くしてしまうケースもあるのだとか。
なかなか判断が難しいところではありますが、自己判断以上に周りからのアドバイスを気にしたほうがいいこともあるでしょう。
そういう時は婦人科を訪れるのもいいかもしれません。
さて、この本で新しかったなと思うのは「母原うつ」。
母と息子の関係では起こらないのですが、母と娘の関係ではしばしありえないほどの束縛関係が起こります。
すなわち、子供を自分のミニチュアとして、全てコントロールしようというんですね。
これには色々な方法やパターンがありますが、娘が母の意に従わずに罪悪感を感じてうつになる、というのがその大筋でしょう。
これは、距離を置く以外どうしようもないのですが、実際難しいようですね。
まぁ、とにかくもならないに越したことはありませんが、いつなってもおかしくない社会というのが現状です。
以前の抗うつ剤は、飲み始めてから安定するまで2週間はたたないと効かなかったらしいのですが、今の薬(SSRI)は速い人で翌日から効果があるそうです。
だから、病院に行こうか迷ったら、自分の身体リズムと見合わせて、本当に必要かを判断してから出かけても遅くはないでしょう。
このSSRI、本格的なうつの人からプチうつと言われる人まで、量を加減するだけで同じものが使われています。
便利な薬ができたものですね。
全ての人にSSRIを使うわけではなく、感情が不安定なタイプには「感情調整薬」を使うらしいです。
そうなると、まずは判断力のある、信頼の置ける先生に出会えるかどうか、なのかな。
というわけで、困った時はストレス外来。
きついなぁと思ったら(そういう場合、ちょっと出かけるのすら億劫なものですが)、気負わずに行ってみるのもありでしょう。
参考:「女はみんな『うつ』になる」香山リカ 著 |