3弥生(やよい)

  三月は他に早花咲月(さはなさきづき)、花見月(はなみづき)、嘉月(かげつ)などといいます。
  また、二十四節気の啓蟄と春分があります。


【季語歳時記】

雛祭

 女児の健やかな成長を願う雛祭。今も残る流し雛の風習は、身代わりの人形(ひとがた)に災厄を移して流す古代の信仰に通じるものです。江戸時代の初め頃までは雛飾りは男女一対の内裏雛だけでしたが、その後、豪華な雛壇飾りが登場した。

春一番

 立春から春分の間に、その年初めて吹く強い南風のことで、日本海低気圧によって激しく吹く風を言います。

紫雲英

 蓮華の名でも親しまれるマメ科の二年草。かつては田の肥料として盛んに植えられたが、紫雲英が一面に咲く田や野辺はだんだん少なくなりました。赤紫の可憐な花で、女の子は冠を編んで遊んでいました。

菜の花

 油菜の花。花菜という。菜類の花の総称にもされています。見渡す限り、一面の菜の花は、心安らぐ風景。花の頃に降り続く雨は「菜種梅雨」と呼ばれ、雨に煙る花の姿もまた風情である。花菜のお浸しは春の一品。菜種は良質の油になります。



 紋白蝶や紋黄蝶、小型の蝶が軽やかに舞い飛ぶ姿は、春の喜びを感じさせます。蝶は一年を通して見られますが「蝶」「初蝶」が春の季題です。他の季節では「夏の蝶」「秋の蝶」「凍(いて)蝶」「冬の蝶」などといいます。