7文月(ふみづき)

  七月は他に七夜月(ななよづき)、女郎花月(おみなえしづき)、夷則(いそく)などといいます。
  また、二十四節気の小暑と大暑があります。


【季語歳時記】
 
七夕

 七月七日は七夕祭りですが、これは旧暦の七月七日がそのもとだったため、地方によって現在の七月七日に行われる地方と旧暦の七月七日に行う地方や、一ヶ月遅れて8月の七日に行われる地方など、さまざまです。その昔中国で針仕事の上達を願う行事だったものが日本に伝わり織姫と牽牛の物語となって今日に至っています。江戸時代の頃から短冊に願いを書いて星に祈るという祭りに定着したようです。短冊に文字を書くので、習字などの上達を願ったものとも言われています。

朝顔市

 七月六日から八日まで、東京入谷の鬼子母神の縁日に境内で朝早くから開かれる、鉢植えの朝顔を売る市です。鉢植えの朝顔が色とりどりに並べられ威勢よく売られています。

鬼灯市
 
 七月九日、十日は東京浅草観音の功徳日です。この日参拝するとご利益は「四万六千日」分に相当すると言われ、境内には恒例の鬼灯市が立ちます。赤く実った鬼灯が鉢売りにされて一杯に並びます。昔ながらの半被姿での威勢のいい売り声が飛び交います。

土用

 土用は季節ごとにあるが、夏の土用は立秋の前約十八日間のことで、特に重視されます。土用の丑の日に鰻を食べるようになったのは江戸時代からといいます。当時は丑の日には「う」のつく物を食べると夏バテしないと信じられていたらしく、ビタミンAやBが豊富な鰻を食べるようになったといいます。また、社寺では「土用の虫干し」が恒例の行事となっています。

木下闇

 鬱蒼と茂った木立は、まぶしい夏の陽射しを遮り、中はほの暗いものです。闇という言葉の強さ、誇張のある響きに、冷んやりとした感触さえ受けます。