俳句たべものダイアリー二0一三年十一月
十一月 一日(金)晴 箸を逃げ舞茸踊る朝の汁(舞茸)
十一月 二日(土)晴 青蜜柑ひと房づつの夜を惜しむ(青蜜柑)
十一月 三日(日)曇(文化の日) 柚子香る棘の鋭さ葉に隠し(柚子)
十一月 四日(月)雨 サワにも柚子を香らせ赤提灯(柚子)
十一月 五日(火)晴 長薯の歯ごたえの良く朝の卓(長薯)
十一月 六日(水)晴 黒焦げの尻尾の落ちて鰯の目(鰯)
十一月 七日(木)雨(立冬) 大根擂る下ろし金の刃をしばだて(大根)
十一月 八日(金)晴 とん汁に人参煮込むシェフの味(人参)
十一月 九日(土)晴 まだはじめ五十路険しく冬林檎(冬林檎)
十一月 十日(日)曇 ホットコーヒー砂糖をひかえ冬はじめ(ホットコーヒー)
十一月一一日(月)曇 時折りの雨音に大根煮える(大根)
十一月一二日(火)曇 納豆汁啜る茶碗の手に熱し(納豆汁)
十一月一三日(水)晴 陽の当たる席を選んでホット珈琲(ホット珈琲)
十一月一四日(木)晴 蕪汁の味噌の赤だし湯気の立つ(蕪汁)
十一月一五日(金)曇/雨 今川焼き通学途中列をなす(今川焼き)
十一月一六日(土)晴 セリセリシャリシャリセロリが繋ぐ話の輪(セロリ)
十一月一七日(日)晴 ブロッコリーシチューの鍋で具と喧嘩(ブロッコリー)
十一月一八日(月)晴 ほろ酔いの小骨気がかり石狩鍋(石狩鍋)
十一月一九日(火)晴 雑炊でしめる二人の鍋料理(雑炊)
十一月二0日(水)晴 焼き煙昔がたりの鰤の味(鰤)
十一月二一日(木)晴 白菜漬け絞れば固く重ね漬け(白菜漬け)
十一月二二日(金)晴 夜の更けて一文字鍋の旨み沁む(一文字鍋)
十一月二三日(土)晴(箱根芦ノ湖吟行会) 昼食にホッと一息南瓜スープ(南瓜)
十一月二四日(日)晴 上品にナイフとホーク冬苺(冬苺)
十一月二五日(月)曇/雨 牡蠣洗うそっと蛇口の水緩め(牡蠣)
十一月二六日(火)晴 箸進む鰤の刺身と夜の更ける(鰤)
十一月二七日(水)晴 大根の沁みる煮汁の色となる(大根)
十一月二八日(木)曇 人参の朱を添え目覚め朝ぐもり(人参)
十一月二九日(金)晴 空晴れて冬菜を刻む朝忙し(冬菜)
十一月三0日(土)晴 焼き柳葉魚頭を皿に整列(柳葉魚)