俳句たべものダイアリー二0一三年十二月
十二月 一日(日)晴 熱燗とレンジでセット町の宵(熱燗)
十二月 二日(月)晴 大根の煮れば煮るほど甘み出る(大根)
十二月 三日(火)晴 赤ワイン渋く鮪のカルパッチョ(鮪)
十二月 四日(水)晴 赤蕪にモダンな皿のカフェランチ(赤蕪)
十二月 五日(木)晴 ミネストローネ冬の野菜のキュービズム(冬野菜)
十二月 六日(金)晴 蜜柑山ひとつ机に上にでき(蜜柑)
十二月 七日(土)晴 異国より雪の聖菓のシュトーレン(聖菓)
十二月 八日(日)曇 ひともじを刻む昼餉の台所(ひともじ)
十二月 九日(月)曇 具沢山海に幸あれ石狩鍋(石狩鍋)
十二月 十日(火)雨 雨毎に冬書柿の甘くなるまでを待つ(冬柿)
十二月一一日(水)曇 白菜のギュッと締まって俎板に(白菜)
十二月一二日(木)晴 朝の陽をキッチンにうけ冬菜切る(冬菜)
十二月一三日(金)晴 クリスマス聖菓さまざま大都会(聖菓)
十二月一四日(土)晴 鰤を煮てしみる寒さを鍋の底(鰤)
十二月一五日(日)晴 人参の朝のスープで日曜日(人参)
十二月一六日(月)晴 大根の細切り刻む暮れの朝(大根)
十二月一七日(火)晴 宵はやく心なごます薬喰(薬喰)
十二月一八日(水)曇 掌に入るお猪口に燗を注ぐ(燗)
十二月一九日(木)雨 冬苺たっぷり乗せてクリスマス(冬苺)
十二月二0日(金)曇 省みてブロッコリーの茹で加減(ブロッコリー)
十二月二一日(土)晴 蜜柑ひとつ剥けばそれぞれ房つまる(蜜柑)
十二月二二日(日)晴 聖菓にも星のまたたく宵の町(聖菓)
十二月二三日(月)晴 ひともじの長く細くと蕎麦の上(ひともじ)
十二月二四日(火)晴 鴨焼かれ皿に品良くたれ甘し(鴨)
十二月二五日(水)晴 未来へとクリスマスケーキを作る(クリスマスケーキ)
十二月二六日(木)晴 鱈鍋の肉のしまれば北訛り(鱈鍋)
十二月二七日(金)曇 刺身皿主役は赤身の大鮪(鮪)
十二月二八日(土)晴 何べんも聞いた話に燗を注ぐ(燗)
十二月二九日(日)晴 湯豆腐に絡まる糸こんにゃく太し(湯豆腐)
十二月三0日(月)晴 白葱をさらす水桶夕支度(白葱)
十二月三一日(火)晴 移りゆく濁世を清め年越蕎麦(年越蕎麦)