俳句たべのもダイアリー二0一三年六月

六月 一日(土)晴 硝子皿よりマンゴーがほろ苦し(マンゴー)
六月 二日(日)曇 冷や酒を飲み干し胸のつかえ取れ(冷酒)
六月 三日(月)晴 キッチンに夕餉をつげる鮎を焼く(鮎)
六月 四日(火)晴 枝分かれする茎強くパセリの葉(パセリ)
六月 五日(水)晴 紫蘇の葉の青に小花を刺身皿(紫蘇)
六月 六日(木)晴 オレンジジュース注ぐグラスに氷鳴る(氷)
六月 七日(金)晴 梅干の朝餉忽忙しなく(梅干)
六月 八日(土)曇 葡萄ジュース硝子のカップに汗滲む(葡萄)
六月 九日(日)晴 枇杷の実のほのかに甘く宵の風(枇杷の実)
六月 十日(月)曇 褐色の色ほど渋くアイスコーヒー(アイスコーヒー)
六月一一日(火)曇/雨 杏子ジャムとりどり悩む地下スーパー(杏子)
六月一二日(水)曇/雨 若なすび伸びて藍より更に紺(なすび)
六月一三日(木)雨/曇 夏蜜柑剥けば部屋中フレーバー(夏蜜柑)
六月一四日(金)晴 キッチンの隅の暗やみ氷水(氷水)
六月一五日(土)曇 歯に沁みる冷えた甘さのマスクメロン(メロン)
六月一六日(日)雨/曇 紫蘇の葉のとりどりの顔色の濃く(紫蘇)
六月一七日(月)晴 辣韮漬けピリリと辛く朝餉食む(辣韮)
六月一八日(火)晴 小鯵ほど鱗の波と笑ってる(鯵)
六月一九日(水)雨 細切りのキャベツ大盛りフライ皿(キャベツ)
六月二0日(木)曇/雨 モーニングお皿の横の半バナナ(バナナ)
六月二一日(金)曇 内々に熟し西瓜の実の割れる(西瓜)
六月二二日(土)曇 枝豆を茹でてキッチン夕仕度(枝豆)
六月二三日(日)晴 駅前の鮓屋は入れば威勢良し(鮓)
六月二四日(月)曇 絞りたてジュースの甘くトロピカル(トロピカルジュース)
六月二五日(火)曇 青葡萄肩寄せ雨の上がるまで(青葡萄)
六月二六日(水)雨 蟹の足殻は割れても骨割れず(蟹)
六月二七日(木)曇 南より甘く厳しくパイナップル(パイナップル)
六月二八日(金)曇 朝餉には兎に角梅干あれば良し(梅干)
六月二九日(土)曇 朝の風枇杷の渋さを噛み締める(枇杷)
六月三0日(日)晴 鉄板に茄子焼けてまずは円満に(茄子)