俳句たべのもダイアリー二０一三年七月

七月　一日（月）晴　賽の目に掌で切る奴豆腐（奴豆腐）
七月　二日（火）晴　墨を噴く蛸の茹でられ赤くなる（蛸）
七月　三日（水）晴　雨だれと夏葱刻む台所（夏葱）
七月　四日（木）曇　覘く陽が眩しく傷く生ビール（生ビール）
七月　五日（金）曇　今時はペットボトルで麦茶飲む（麦茶）
七月　六日（土）曇　何はなす訳でも無くて西瓜食む（西瓜）
七月　七日（日）晴　苦瓜を乗せて沖縄風サラダ（苦瓜）
七月　八日（月）晴　ぜにごけか真鯵のフライ衣揚げ（真鯵）
七月　九日（火）晴　氷水飲み干して朝心地良し（氷水）
七月　十日（水）曇　キーマカレー食を勧める辣韮漬（辣韮漬）
七月一一日（木）晴　夏蜜柑むく皮厚く昼暗し（夏蜜柑）
七月一二日（金）晴　香り良く早桃種まで啜り食む（早桃）
七月一三日（土）晴　俎板の上でパインに刃を入れる（パイン）
七月一四日（日）晴　浅漬に箸を休める夏蕪（夏蕪）
七月一五日（月）晴　さくらんぼひとつグラスにモーニング（さくらんぼ）
七月一六日（火）晴　尾っぽまで塩ふんだんに虹鱒焼き（虹鱒）
七月一七日（水）曇　ミニトマトパスタの皿の山を落つ（トマト）
七月一八日（木）曇　玉葱の水にさらされ透き通る（玉葱）
七月一九日（金）晴　素麺の木箱受け取る宅配便（素麺）
七月二０日（土）晴　ばら鮓の卓を囲んで宵の酒（ばら鮓）
七月二一日（日）晴　バーベキューお肉の横に夏野菜（夏野菜）
七月二二日（月）晴　路地裏に炭のけぶたく土用鰻（土用鰻）
七月二三日（火）晴　焼酎を呑んで蚊の鳴く声がする（焼酎）
七月二四日（水）雨　生ビール冷えた一杯泡の髭（生ビール）
七月二五日（木）曇　パセリ手折るひとりのランチメール読む（パセリ）
七月二六日（金）曇　帆立貝からより白き皿にもる（帆立貝）
七月二七日（土）晴　朝食のバナナの薫るミニテラス（バナナ）
七月二八日（日）晴　茹でられていぼまで刺身の蛸の足（蛸）
七月二九日（月）曇　青紫蘇を肴に添えて夫婦酒（青紫蘇）
七月三０日（火）晴　蚕豆をパンにも乗せてピザ風味（蚕豆）
七月三一日（水）曇　新ジャガを口に頬張り熱っちっち（新ジャガ）