俳句たべのもダイアリー二0一三年八月
八月 一日(木)雨/曇 葛餅を三角に切り茶店風(葛餅)
八月 二日(金)曇 梅干の種で茶を飲む夫の癖(梅干)
八月 三日(土)晴 マンゴーの種に手こずる夕厨(マンゴー)
八月 四日(日)晴 マンゴーフルーツ囲み会話の弾む午後(マンゴーフルーツ)
八月 五日(月)晴 トロピカルフルーツ午後の夕陽さす(トロピカルフルーツ)
八月 六日(火)晴(広島平和記念の日) 冷麦を啜り福島の海はるか(冷麦)
八月 七日(水)晴(立秋) 熟すまで桃の眠ている冷蔵庫(桃)
八月 八日(木)晴 陽の強さしみる苦瓜夕御飯(苦瓜)
八月 九日(金)晴 輪切りのレモン浮かばせてクリスタル(レモン)
八月 十日(土)晴 デザートにかかる白胡麻和風味(胡麻)
八月一一日(日)晴 紫蘇の実を摘めばこぼれる朝の蔭(紫蘇の実)
八月一二日(月)晴 梨熟れて八つに切られて眉月型(梨)
八月一三日(火)晴 実のしまる列を崩してもろこし食む(もろこし)
八月一四日(水)晴 梨は梨されど梨ごと別の顔(梨)
八月一五日(木)晴(終戦記念日) 星型のオクラのねばり朝の粥(オクラ)
八月一六日(金)晴 シークァーサー酢橘と知れば買ってみる(シークァーサー)
八月一七日(土)晴 香ばしくほんのり紅く切り身鮭(鮭)
八月一八日(日)晴 薄味の南瓜煮てある台所(南瓜)
八月一九日(月)晴 長茄子のイガある蔕を切り落とし(長茄子)
八月二0日(火)晴 何をする訳でもなくて葡萄食む(葡萄)
八月二一日(水)晴 甘く煮て芋茎の淡く紅の色(芋茎)
八月二二日(木)晴 秋鮑ほど良く焼けて旅の宿(秋鮑)
八月二三日(金)晴 枝豆に旅の終わりの雨惜しむ(枝豆)
八月二四日(土)晴 米どころ巡り新米出たと知る(新米)
八月二五日(日)雨 ゆく季節惜しむ雨降る衣被(衣被)
八月二六日(月)晴 何話す訳でもなくて茄子を食む(茄子)
八月二七日(火)晴 水蜜桃遠くからでもあるを知る(水蜜桃)
八月二八日(水)晴 塩に胡麻かかさず檸檬の台所(檸檬)
八月二九日(木)晴 山椒の実を入れ七色唐辛子(山椒の実)
八月三0日(金)晴 秋刀魚まだ店に並ばぬ商店街(秋刀魚)
八月三一日(土)晴 梨剥けば過ぎし日は儚く遠く(梨)