俳句たべのもダイアリー二0一三年九月
九月 一日(日)晴 苦瓜を水に浮かせて夕仕度(苦瓜)
九月 二日(月)曇 焼き鮭の旨みに箸のすすむ朝(鮭)
九月 三日(火)晴 柿ならべ棚の入れ替え食品街(柿)
九月 四日(水)曇 ピーナツの殻割る音にふと無言(ピーナツ)
九月 五日(木)雨 無花果を割れば記憶が遡る(無花果)
九月 六日(金)曇 丸皿をはみ出し秋刀魚すまし顔(秋刀魚)
九月 七日(土)曇 無花果の苦さに齢顔に出る(無花果)
九月 八日(日)曇 秋の実の色ずく頃と知らせ待つ(柿)
九月 九日(月)晴 山芋を朝粥にのせとろろ汁(山芋)
九月 十日(火)晴 厨房の大鍋で煮る八頭(八頭)
九月一一日(水)曇 月見豆茹でてひと枝サラダ用(月見豆)
九月一二日(木)晴 デパ地下に焼栗のコーナー見付け(焼栗)
九月一三日(金)曇 秋刀魚焼くメニューにはないシェフの味(秋刀魚)
九月一四日(土)曇 無花果の熟すを割れば種の花(無花果)
九月一五日(日)雨 胡桃乗せケーキのレシピに句をメモる(胡桃)
九月一六日(月)雨 無花果の熟すを余すセット売り(無花果)
九月一七日(火)晴 垣の裏おでこをぶつけ花梨の実(花梨)
九月一八日(水)晴 柿むけば俎板の上波の渦(柿)
九月一九日(木)晴(お月見) お月見団子今どきはスイーツ風(お月見団子)
九月二0日(金)晴 焼き鮭をほぐして朝の粥に入れ(鮭)
九月二一日(土)晴 九年母を絞りキッチンの朝さやか(九年母)
九月二二日(日)晴 里訪えば紫蘇の実のあふれんばかり(紫蘇の実)
九月二三日(月)晴(秋分の日) 新米の炊かれてカフェのランチ混む(新米)
九月二四日(火)晴 苦瓜のアノひと言に苦笑(苦瓜)
九月二五日(水)雨 このままで良いはずがなし柿を剥く(柿)
九月二六日(木)曇 山椒の実効かせ忙しく粥啜る(山椒の実)
九月二七日(金)晴 とりどりの秋果日本のトロピカル(秋果)
九月二八日(土)晴 真っ当に生きて来たかと熟柿食む(熟柿)
九月二九日(日)晴 ピーナツを割れば夜更けの鳴き烏(ピーナツ)
九月三0日(月)晴 ピーマンに秋の色濃く桶に浮く(ピーマン)