発注者に改善を要請 バージン材との混合必要




           
 道路建設工事で発注官庁が路盤材に再生材を指定するケースが多い
が、こうした工事でも実際には砕石のバージン材(クラッシャーラン)が使用される
ことが多く、各地で問題となっている。宮城県では「再生材」のうち3分の2がバージ
ン材と見られている。「再生材」の価格はクラッシャーランの半額程度のため砕石業
者の経営を圧迫する要因となっている。このため砕石業界では、再生材が不足してい
る実態を踏まえ、バージン材への設計変更を行うなど改善を要請している。
             国土交通省や自治体などは、建設リサイクルの推進のため、構造物の
解体によって発生するコンクリート塊を破砕した再生材を、路盤材として積極的に使
用する施策を進めている。しかし、路盤材用再生材の需要に対してコンクリート塊の
発生量が少ない地域が多いのが実情だ。この需給関係を無視した設計(再生材指定)
が行われているため、「再生材」と称してクラッシャーランが使用されるケースが多
いといわれている。
             その実態について宮城県砕石協同組合連合会が調べたところによる
と、同協組連傘下の約50社の「再生材」の出荷量は113万トンにのぼる(02暦年)。
実際にはそのほとんどがバージンのクラッシャーランという。同県では路盤材として
約150万トン(推定)の「再生材」が使用されているが、”本もの”の再生材は3分の
1に過ぎないと見られている。
             再生材がない場合は道路施工者が発注者に対して、バージン材を使う
設計変更を要請する制度があるものの、その手続きが煩雑なことから、施工者が砕石
業者に対してクラッシャーランの供給を要請。それを「再生材」として使っている。
             一般に、クラッシャーランと再生材の価格は2倍の開きがあり、仙台
ではクラッシャーラン2600円/m3に対し再生材は1500円(建物物価調査会調べ)。再
生材指定の工事では、クラッシャーランが1500円以下で流通しているのが現状だ。
             砕石全般の需要が減少し、市況も低迷している上に、こうした問題に
直面し、砕石業者は一層深刻な事態となっている。このため同業界では、再生骨材の
供給実態を踏まえた設計を行うよう、発注官庁に要請している。
             こうした問題は宮城県に限らず各地で起きており、日本砕石協会は国
交省に対し改善を要請してきている。同省はこれを受けて実態調査を進め、昨年11月
に「再生材の利用」(再生砕石・再生アスファルト合材の現状)に関する調査結果を
発表している。
             この調査は47都道府県・12政令都市と、再生材需給が安定している神
奈川県、ひっ迫している熊本県の再資源化事業者・建設業者を対象にアンケートを
行った。その結果、再生材は自治体によって供給過剰のところと不足のところがある
など地域によって事情が異なることがわかった。
             各自治体管内における00年度の四半期別需給状況をみると、再生砕石
は年間を通じて「供給不足」または「やや供給不足」としている自治体が3割強にの
ぼる。
             さらに、需給がひっ迫しているとされる熊本県の建設業者に対する調
査では、第4四半期の再生砕石の調達が「困難」または「やや困難」とする回答が4割
近くを占めていることがわかった。
             また、再生材利用にあたっての問題点として、地域事情をふまえた副
産物の需給実態の調査・検討や、新材とは異なった再生材としての安定した品質確保
のための方策の必要性が指摘されており、同省総合政策局労働資材対策室では、今
後、定量的・実証的な調査を進め、再生材利用の検討材料としたい考えだ。


            出典:セメント新聞 2003年5月19日