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踊る人形
DEOGENES(でおげねす・くらぶ)・残骸ページシリーズ

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ここはホームズ系のネタページなんだよ(露口 茂調)。ホームズと言っても、「イヌ」とか「三毛ネコ」ではなく、 Canon と称される正典(聖典)−すなわち、サー=アーサー=コナン=ドイル(以下・サー普通ドイルだろ)の原作や、グラナダTV版について語り合おう・・・と思ったが、タイトルがこれではちょっとやりにくいねぇ。

 デオゲネスクラブというのは「ギリシャ語通訳」内に登場する、ホームズの兄であるマイクロフトが主催するロンドン変人倶楽部というべきものかな。人付き合いはキライだが、座り心地の良い椅子や新刊の雑誌類が好きな(原作・まんざらキライじゃない)連中の便宜の為に創立された、聖なる安息所だよ。 「練馬変態クラブ」を思い出した悪い管理者。
 会員は他の会員に関心を持ってはならず、ロビー以外での会話は禁止。とはいえホームズの見た感じでは「とても気の休まる雰囲気だ」そうである。僕も臨時会員か何かで入ってみたいもんだ。
 ウチのデオゲネスクラブはどっちかというと知ったかぶりクラブのようだねぇ。

 タイトルつながりで次に説明するのは、あの奇妙奇天烈な”一団”のことだよ。言うまでもなく「踊る人形」に登場する暗号の事さ。実を言うと僕はこの暗号に関してはさほど興味を持てるものではないと感じたんだよ、君。なぜだか分かるかい。
 というのも暗号としてははなはだ稚拙だと言わざるを得ないからね。単なる換字式−文字を記号に置き換えただけだからさ。僕はホームズ先生ほどじゃないにしても暗号に関してはそこそこ造詣の深い人間だと自負しているからなおさらだね。
自慢ではなく、謙譲を美徳と思わない式の書き方である。
 もっともこんな所で読者を惑わすのはサーの本意ではなかろうし、劇中で使用している面々も暗号の専門家とは言い難い人々だ。それに劇中では”子供の落書き”扱いされて、暗号自体の秘匿性は立派に果たしているから問題はないんだが。
 気になるのは我らが先生の解読法だが、使用頻度が高い = E だというのはまだしも、その後の事については当てずっぽうと言われても仕方がないかも知れないね。まあそこの所がニュータイプ・ホームズ先生の凄いところなんだが・・・。
 劇中では極めて論理的に事が進んで行くのでややもすると納得させられてしまいそうになるが、「・・・でなければならない。」「・・・のはずだ。」「ふとうまい考えがうかんで・・」といった感じだよ。文字数も足りないから( f j k q u w x z が無い。)僕も遊べないしね。
英語ではとかく無視されるいつもの文字に加え f まで抜けているのは辛い。 j は i 、u w は v でごまかせる。

 さて、日本人読者としてはまっ先に取り上げなくてはならなかった物に「バリツ」がある。そうでなくても正典中にはさまざまな日本関係の単語が出てきて、当時ブームでもあったのだろうかなどと勘ぐりたくもなったんだが。聖武天皇の名まで出てきた時には驚いたものだったが、それも今は昔の出来事だね。
 物事を熟考するには前もってその事に付いての知識が必要不可欠だ。諸事情で連載を放棄しようとしたサーは「最後の事件」でホームズを亡き者にしようと考え、主人公に匹敵する知力の持ち主である宿敵・モリアーティ教授にご出馬を願った訳だ。犬アニメ版から想像してはいけないよ。まあ俗っぽい言葉で簡単に言えば犯罪の闇将軍という所になるんじゃないかな。
 話の流れは各々が「最後の事件」を読む事で代えさせて頂くが、結局サーの目論み通りにホームズ先生は宿敵と組み合ったまま闇の世界へと旅だって行かれてしまったのだね。はっきりと死に様を書かなかったのも以後の騒ぎの間接的な引き金になったのかも知れないがね。 そうでなくても、、この小説は正に殺す為と思われる所も無くはない。
 後の騒ぎというのは、その後サーの元に非難の手紙が文字通り山の様に舞い込んだ事さ。サー当人は元々−言い過ぎかも知れないが−片手間で書いていた小説であったから(サーの本職は医師)、これには驚いた。母親にまで諭されておよそ十年の後に「バスカビル家の犬」にて再開、その後「空き家事件」にて復活の経緯を紹介させられる羽目になってしまったという訳さ。
 さて肝心のバリツだが、原本を忠実にひもといてみると、力任せに迫ってくるモリアーティ教授の腕から体をかわすのに使われている。敵の力を利用する流派の様だ。いささか東洋的な匂いを感じるねぇ。
故・ジェレミー=ブレットが上半身裸で、右手で左の上腕を押さえながら「シリツをして下さい。」と言う風景を想像する悪い管理者。

 管理者は頭の中で話がごちゃ混ぜになる所があるね。「三人の学生」と「スリークオーター失踪事件」などは分かっててもごちゃごちゃになるんだよ。グラナダTV版では、残念ながらその回は見逃しているんだが「マザランの宝石」と「三人ガリデブ」が一話にまとめられてるんだよねぇ。あれは役者さんが体調不良の為だと聞き及んでいるのだが。
 そういえばNHKは真っ昼間に再放送していた様だね。僕みたいに録画予約もままならない機械音痴は蚊帳の外って事なのかな?むしろ夜中に大々的にやって欲しいもんだよ。
 DVD?値が張るじゃないか。良いとは聞いているんだが。
かなりな良品が出回ってるそうだから誰か買って僕に半永久的に貸して下さい。

 「デイヴィッド!」−理想的推理家だったとすれば、その一語で全てを知っていなければならないはずなのだ−僕も分からなかったんだよ。旧約聖書・サムエル後書(第二)11の15にある様な事さ。僕も聖書の知識には少々かびが生えているから当然と言えば当然の結果だろうがね。言い遅れたが「まがった男」の話だよ。
 まあ聖書なんて日本人なら余程酔狂なヤツか狂信者でもなければ読まないシロモノだから仕方がないだろう。・・・何でウチにあるのかな。
 グラナダTV版では事前にホームズがこっそり調べたらしい様な描写がある。少しわざとらしいが。
何でも計算ずくなこの男がワトスンの目に付く所に紙を挟んだ聖書を放っておいた場面・見つけて欲しかった?キャ〜キャ〜!(さういふ風にしか見へない。)
 でも洋モノドラマはXファイルなどもそうなんだけど、聖書片手に見るのが良いんじゃないかなって思う事が多いよ。

 ベーカー街 221B はある意味においては僕の部屋にソックリで嬉しいねぇ。第一に始終散らかってる所。政府要人大臣首相が来ても片づけない根性には恐れ入るね。第二には部屋の中での怪しげな実験。僕もよく部屋の中で火薬の点火試験とか知人を実験台にした(自粛)ってたからね。
 煙草をブカブカ吸っていて良い所も好感が持てるな。でも僕はおくすりには手を出してはいませんよ。ホームズ先生はヴァイオリンで心を慰めていらしたが、僕の場合は簡単なドラムセットがあって30分ばかり無心に叩いていたら部屋の入口に母親が立ちすくんでいた事も・・。僕の話はいいんだった。
 ヴァイオリンで思い出したんだが、「マザンの宝石」でヴァイオリン演奏のトリックをなさる場面があったよ。当時としては超ハイテク兵器たる”蓄音機”を用いたものだ。何と機械が演奏をするのだよ、君。先生は部屋にこもったフリをしてコッソリと裏から回り込み、犯人の手から宝石を取り返し・・・という具合だ。 その後依頼者と一悶着あり。
 当時のハイテクでは”電話”も挙げられるね。離れた場所同士にいながらにしてまるで隣りにいるかの様に話が出来るんだ。電報より便利だよ。
 現代にホームズ先生が生きていたら(架空人物っ!!)写メール携帯片手に超音速ジェット旅客機で世界中を駆けめぐり・・・らしくないよね。たいていは禁煙だし。
実用動力飛行機は 1903 年のライト兄弟が最初なのでホームズ先生も乗れてるはずなんだがね。

読んだ事のない人にお勧めのコーナーというのはどうかな。僕の考えでは・・「黄色い顔」などはどうだろう。思いきりこける事請け合いだ。立ち直れないかも知れない。暗号好きならば誰が何と言っても「踊る人形」。中学校の英語の教科書にも載っていたよ。
 暗号なら他にも「グロリア・スコット号」にあるのも捨てがたいね。しかもホームズ(小説内歴史中)最初の事件でもある。
 仕掛けを楽しみたいなら・・思い付いたのは月並みな「ソア橋の怪事件」だった・・・、情けない。トリックではないが芝居がかった謎解きは「海軍条約事件」「六つのナポレオン胸像」「第二の血痕」「マザリンの宝石」・・など。
 まあ本人の復活場面からしてそうだが、鉄面皮のこの男は(普段はアメリカ・インディアンの様な硬い顔をして)何かしないと気が済まないらしい。
 正典に忠実に従いたいのなら「緋色の研究」からに如くはない。さあて、こけるシリーズと来るならば、「唇のねじれた男」「ボヘミアの醜聞」「技師の親指」「青い紅玉」「入院患者」「三破風館」・・
 「え゛〜っっ!!」と言いたくなるだろう話を列挙してみた。また例によって頭の中でゴチャゴチャになってしまって上手く事が運ばなかった様だ。僕は神じゃないからね。
 間違っても「最後の事件」「空き家事件」などを最初に読んではならないよ。

 図書館に行っても無い!とお嘆きの方、文庫版は欠けていてもガキ・・・少年少女用の「がいこくのよみもの」みたいなコーナーにあったりするモノだよ。僕の場合は欠けていた「緋色の研究」は、そうして読む事が出来たからね。
 しかも上手い具合に文字が大きいと来てる。読みやすいんだよ君。
 「最後の挨拶」辺りも欠けていたんだが、こちらは全集を借りてきて読んだよ。既に読んだ話も載っている場合もあるんだが、ゴチャゴチャになった頭の中を整理するのにちょうど良いじゃないか。
 他にはグラナダTV版の写真集かな?そんなモノはあったからね、少々デカブツだったけど、シッカリ借りてきたんだ。それまでの他のホームズ作品の概略も載っていたりで、損は無いと思うぜ。ハハ、借りてくるんだから損も何もあったものじゃないか。
 最後の手段は犬版かな?以前観ていたのだが、改めて観直すと全然違うんだね。元々はイタリアだか何だかとの合作だって言うじゃないか。あのプロト・ベンツだけは本当に欲しいな。でもハドソンさんが若すぎるのは変だ・・・君、今のは聞かなかった事にしておいてくれないかな?

 時期的には、ホームズ先生の後がまに妙なベルギー人が頑張っている様だねぇ。先生も安心して養蜂業に精を出せるってもんだ。


パスティーシュという言葉に心当たりはあるかい?最近は我が鳥栖市が誇る大市立図書館の蔵書が尽きて、そっちの方へ目が移ろってしまったよ。
 言うまでもなく贋作の事だが・・中には「一つ”原典”の仲間入りを狙ってみようではないか」的な作品もある。犬アニメはパスティーシュなんだろうか僕には判断付きかねるね。
 最近ぶっ飛んだのはホームズが未来人だったというものかな?腰が砕けてしまったよ。
 一緒に出てくるモリアーティ教授、この話の中ではホームズ先生と瓜二つらしい。ホームズの出身である未来では、クローン人間が当たり前の様に作られているそうだが、これ以上は言わないでおくよ。

 今度は「ルパン対ショーメス」・・・ Herlock Sholmès となっているが、これはサーに気兼ねしたもの、日本語ではご丁寧に大胆にもちゃんとした名前で出版している様だがね。
 内容は、まぁ本家筋とさほど変わらない風だがホームズの行動パターンはやはりどことなく違う感じがするねぇ。血の気の多い役者がホームズ役をやっている感じがする。
 それから相手がルパン。ルパァ〜ン一世と伸ばしたくなる衝動を抑えつつ読み進めるが、お孫さんとは雰囲気が似てる様で似ていない。

 最近図書館で久しくホームズ・贋作物を借りてきたんだがねぇ。「シャーロックホームズの算数パズル」(泣)別に「エルキュールポアロ」でも良いんじゃないかい?
 パスティーシュとして、こんなにイライラする読み物は初めてだよ。挿し絵がグラナダTV版っぽいのも悲しいね。
 内容はいちいちカノン作品を引用したものだから、問題によってはピンと来るものもあるよ。まぁ、コッソリ夏目漱石と遭遇させてる辺りは面白いんだけど。

 また少し時間が経って、現在加筆している。と言うのも、妙な漫画を見付けて来たからだよ。題名は、そのモノズバリの「ホームズ」と言うんだが、ちょっと困ってしまったね。
 絵が完璧にグラナダTVのそれだ。何と明智小五郎の父親・大五郎とやらが、ひょんな事からホームズ先生と遭遇しての話という事になっている様だ。
 ただ、雰囲気に反して筋立ては正にパスティーシュそのモノだ。聞き覚えの無い話ばかりだったね。


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(c) PHALSAIL HeadQuarters