ゲルマラジオ・コイル巻き

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コイルの巻き方の基本

コイル巻け目当て 世の中には、事を行う前からゴチャゴチャと理屈をこねる人がいますが、ワタクシはややこしい事が嫌いなのでさっさと巻きにかかります。コイルとか。
 まあ、計測器の類は一切無いのでカット&トライとなるのが辛くもあり楽しくもある所で御座います。
多分。

ソレノイド専用・コイル巻き計算機

コンデンサー容量計算機

同調周波数計算機
 
再編成で浮いた、本来の一階層上のページ

コイルの巻き方 コイルの巻き方の基本。大抵やってしまうのが、巻く導線をグルグルと回して行く方法。これではその内に線がよじれて、気付いたら導線はグチャグチャ、という事になって、悲劇に見舞われた方も多いのでは。
 導線は輪っかにして売られているので、引っかける棒などを用意して上図の様にし、軸の方を回して巻きます。丁度導線を巻き取る様な形となります。こうすると、驚くほどに綺麗に巻く事が出来ります。ややもすると巻き回数を忘れてしまう程です。
 ただし、導線の引き出し口を見極めておかないと、引っかけ棒の所で結ばってしまうので注意。一度輪っかを横にして引き出し口をつまみ上げて、バネの様に伸びる様であればスムーズに供給してくれます。

バスケットコイル コイルには、ただ巻くだけのソレノイド型と、左写真の様な変な巻き方をする場合とがあります。
 巻くには前者の方がもちろん簡単ですが、ゲルマ鉱石ラジオ段階での性能としては後者の方が良いかも知れません。
 絶縁された導電体を並べると、その境目に電気の溜まる場が出来ます。コンデンサーの原理そのモノですが、コイルに使う細い導線でも同様の効果が現れます(分布容量と呼ぶ)。
 ただ巻くだけのソレノイドでは導線が並びまくりになるので、容量こそ小さいですが電気溜りまくりになるのです。これはそのコイルにコンデンサーを並列に接続しているのと同じ効果を持たせてしまいます。
 すると同調点が低い方にズレてしまい、高い方の同調が取れなくなります。また一般にはソレノイドはコイルのQが低い事になっています。実はそうでもないが、話が続かないからそうしておく。

Qの話 左図は別用途ですが、Qについて端的に説明しているので流用。
 平たく言うと、Qというモノが劣ると左図で言うところの緑の部分がだらしなく広がるのです。つまり聴きたい局以外が同時に混信して聴こえる、強い局ばかりが被さって聴こえる、といった症状が出ます。
 例写真のバスケットコイル型とかにすると、線の並び具合が弱くなり、分布容量の発生が抑えられ、必然的にQが向上します。
 じゃコイルは全部そうあるべきなのにそうなっていないのは、まず巻きにくい事が原因として第一に挙げられます。それはご覧頂ければ一目瞭然であり、写真のもヨレヨレです。
 第二に、言われる程Qの劣化が無い(かも知れない)という点。コイルの直径を大きくし、導線径を太くすると、案外ソレノイドでもイケてしまいます。
 それに現在ではゲルマ鉱石ラジオというモノの方が特殊で、普通は電気的に増幅して聴くのが当たり前であり、需要が無くなったから見かけないのです。
コイルの感度を悪くしてグラフの上の方の狭い所だけを使い、後で増幅出来れば問題無い様に。
 ただ繰返しますが、ゲルマ鉱石ラジオ段階では有用であると信じています。見かけもレトロチックで良い。

 他に「ハニカムコイル」などで各自検索して頂くと、多彩な(もう莫迦?)巻き方をご堪能出来ます。


その他のコイル考察

スパイダーコイル スパイダーコイルです。感じとしては貧相な面もちですが、これがQの視点から見れば、普通のこれまでのコイルを遥かにしのぐ性能を秘めている(事になっています)。
 さて巻き方ですが、うっかりすると一つずつ上下上下とやり兼ねないのですが、一つ跳ばしで巻いて行きますと、なぜか不思議な事に巻き幅が狭く出来ます。
 綺麗に巻き上がった物は、まるで何処かの民族の工芸品の様な様子で美しく、また思わずテーブルの上に置いて鍋などを乗せたい衝動に駆られる感じです。書き忘れていましたが、素材は概ね厚紙辺りで充分です。
 使い方は普通のコイルと同様です。多分その性能に驚きを禁じ得ないであろう事は疑い無い(事になっています)。欠点は製作が多少困難であるといった点か。「事になっています」が気になる…

星巻き(リリアン巻き) これは私が発明?したスターコイルです(既存企業とは関係ありません)。丁度スパイダーコイルの立体版とでも言える代物で、何とミュー同調用です。
 立体ゆえか、今度は素直に一つずつ中外中外と星形(スターの由来)に巻いて行きます。出来上がった物は目頭が熱くなる程の美形で、ハンダ付けなどもってのほか、とも感じる心持ちです(と言っておきます)。
 しかし、その製作は困難を極め尽くす道のりでした。想像して頂ければすぐに判る事ですが、巻けば巻く程巻きにくくなるのです。最後の方など、ガイドの角棒がへし折れるのではないかと思った程でした。製作法が誤りだったか?
※ガイド自体が導線で徐々に固定され、線を通す事が段々難しくなる※
 仕様は最初の三段巻きコイルと同じに作りました。同じ様に使ってその差を見極めようとの算段からです。実験環境が余り良くなかったのにも関わらず、その分離の程には目が自ずから丸くなるといった風です(と言っておきます)。欠点は製作が甚だ困難であるといった点か。(二個しか作っていない)
「と言っておきます」が気になる…

タップ付きコイル どこぞで言っていたやけくそのコイルです。どの位ヤケクソなのかというと、例えばコイルの芯ですが、たいていはトイレットペーパーのそれを使う所を、何とティッシュの箱を乱暴にはさみで切った短冊を丸めてテープで留めただけのモノだーー、など。
 故に緒元は極めてイイカゲンの目測である点を予めお伝えしておきます。ハッキリ言って導線の巻き方も感心できる様な風ではありませむ。
 しかし、こんなモノが比較的良好な結果を出すものだから世の中判らない。このコイルの実験ではポリバリコンを用いましたが、それも良かったのかも知れません。
 よく聞こえれば聞こえるほどにむかつくコイルです。

失敗作 シロウトが作るとこうなる、みたいな見本の様なコイル。御覧の通りハデに巻き散らかしています。が努力が必ず有効に報われるとは限りません。
 この図を見ただけでも、如何にかさばりそうか想像に難くはないと考えます。一応、同調回路を二重に配する事で選択度を上げるのが目的でした。
 しかし上がるにも限度というモノが欲しい。本当に薄紙の様な選択範囲になってしまって、もの凄く使いにくいシロモノとなってしまいました。また反比例的に感度は当然の如く低下するものです。
 機械には「遊び」が大切であるという事を改めて感じさせられた品です。

二段巻き 回路図
 2011年になって、新たに作ったゲルマラジオ用の同調コイルです。また判った風な変態的作りになっています。一応、三段巻きと同様のミュー同調コイルです。
 まあ一応、一部直径を大きくしたり、まばらに巻いたりして分布容量を減じたり努力の跡が見えますが、さてそれが如何様なモノか?と思わせぶりな事を書いていますが、実は結構当たりだったのです。
 NBC 佐賀 1458kHz という中波域としては高い所の放送局(しかも 1kW )がありますが、ちゃんと受信出来たのがその証し。
 ただし自慢の帯域二段化は成功したとは言えません。確かに二段にはなっていますが、どこら辺に合ってるのか全く判りません(泣)

実験風景 ただのコイルとは言いがたいモノですが、一応はループコイル(アンテナ)と呼んで差し支えない、かも知れないというモノです。
トイレで実験中。

 全く実験用である為に巻数その他全て適当にしてありますが、バリコンをつないで聴いてみると、それなりに合ってたりします。この手のラジオのイイカゲンな所です。

 都市部などの強電界地域では、この程度で十分なアンテナとなると思いますが、田舎では全く聞こえません。が、別にアンテナ・アースをつないで普通の同調コイルとして使えばハイQなコイルとなります。ただガタイがデカイ。

八角形巨大ループコイル そういう事で、この様な八角形巨大ループコイル(アンテナ?)を作ってみました。
 直径40cmという大きさで0.5mm径銅線を25回ばかり巻いたモノ。材料の木材の細さが目立ちます。相当気合いを入れて作りました。
 しかし、なぜか感度があまり取れません。期待が大きすぎたのかも知れません。

ドーナツコイル 昔の「CQ」誌( 1998年 9月号)に、この様な掟破りのコイルを見出す事が出来ました。
 正真正銘の「ドーナツコイル」です。いわゆるトロイダル某の風ではなく、円周方向に沿って巻いて行くという、苦行の様な巻き方になっています。
 作者さんのコメントによると性能はかなり良いそうですので、ド根性をお持ちの方はお試しになってみてわ?
※…ただし欠点・「非常に巻きにくい」…、そりゃそうだ※

目当て


ラジオになった変なコイル例

Mystery Crystal Set 左は他所でも紹介しているミステリーゲルマラジオというモノ。コイルが主役なのでここにも掲載します。
Mystery Crystal Set コイルの真ん中辺りが変なのが見て取れますでしょうか?「バイファイラ巻き」といって、二本の銅線を一緒に25回ばかり巻いています。
 外国の英語ページを物色していて見つけたモノです。巻くのはそんなに大変ではありません。
 感度もそれなりに良い様です。

Variometer Crystal Radio これなんか、コイルの機構に出口(検波器)を付けて、盗み聴きしてる様な様相を呈しています。
 バリオメーター式ゲルマラジオという事にしています。仕組みは見ての通りです。中に小さいコイルが吊るされていて、上の(なぜか妙にゴテゴテした)取っ手で回して選局します。
(1920年代の市販ラジオをコピーして作ってみたモノ)
 見かけに反して、感度だけは異様に良い様に思われます。ただし見た通り、コイルの巻き数を見かけ上乱暴に変える仕掛けなので、どうも選択度(分離)が今一つです。
 それを補う為に、手前にアルミ板で入力調整バリコンを設えています。


※再編制後に加筆※

三段コイル作業手順 まずは本来の一階層上ページのコイルの詳細。最初に紙でフェライトコアが通る程の筒を作り、図上段の様にして #24 程度のエナメル線等の導線を15回巻いて行きます。
 巻き方は荒くで良い。最初の方は密巻き、後に行くに従って荒巻きとします。高い周波数帯の分離を良くする為です。
 巻き終わったら、割り箸程度の角棒を4本、図中段の様に接着して反対側から再び導線を巻き始めます。今度は逆向きなので最初が荒巻き、後が密巻きになるようにして35回巻きます。
 巻き終わったら、さっきと同じ様に角棒を接着して反対へ60回、密巻きから荒巻き(下段)。巻き終わりがE、最初の巻き始めがGとなります。
 そのままアンテナコイルを巻いても良い。ただしEタップを出し、間を数ミリ開けておきます。30回程度巻けば良いでしょう。アンテナとのマッチングに応じる為に、途中にタップを設けると良いです。
※・・・アンテナコイルまで三段にすると何かがおかしくなる。とゆか、このコイルは変!
三段コイル付き その写真。


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