まえのページ

よく 天然木とか
造林木とか 種分けをすることがあります。

造林木は
人が 苗木を 植栽して、
5~6年くらい下刈り(したがり)と言って、
山林の下草(したくさ)刈りを行い、
その後 植栽木の生長に応じて
枝打ち(えだうち=下枝(したえだ)を除くこと)をして
除伐(じょばつ=山林の植栽木で間引くものを切って捨てる)します。
その後、枝打ち・間伐等を
繰り返して 造林木を 育てます。

これに対して 天然木は
自然の林(原生林)で、
大きな木から 種子が 秋に落下、
春に発芽して 稚樹(ちじゅ)となり、
長期間
(人工林は大体5~6年の下刈りで自力成長できるようになる)
大きな木の下で
発芽した場所の環境に耐えて
まわりの空間が空き
太陽光線が 当たるのを 待ちます。

 

自然に発芽した
杉(ひだり)と ひのき(みぎ)の稚樹です。
 

その間、下枝が 朽ち枯れや、
隣接樹木との枝こすれなどで
自然に落枝して、自然の枝打ちができることが多くあります。

何らかの理由
(風や台風・落雷・雪害・病気etc.)で、
上層木が倒れたり 枯れたりして
太陽光線が 下木(かぼく)に 届くようになると
それまで耐えていた環境の変化で
幼樹は 勢いを得て
年輪幅が 一気に 大きくなります。


こんな場合や適地でないところに
立ち木が 生えた場合は、
目込み(年輪の間隔が狭いもの)の年輪のまま
成長する場合もあります。

寒いところや、暑いところも 限度があり
年輪幅や、材の色や、
木の香りの特徴となり現れます。

木の種類、
杉やひのきでも 
微妙に性質・色合い・香り・その他の変化をとらえて
種分けをしている場合があります。

原木を購入する場合は
天然木の見分け方や、木の良さ、
杢(もく)がどのようにして出るかを、
木口(こぐち=木の断面。年輪の見える面)や
外面を見て判断する目を養うことも必要です。

木の割れや曲がり、アテと言われるくせも
外面を見て判断します。
特に節は 木にとって 大事な要件ですが、
曲がりやこぶで
これは どう見ても節がある と判断した木でも、
挽(ひ)いてみると 節がなく
これ(曲がりやこぶ)が杢となって現れ
大変 表情が豊かで
板目が美しい材が 採れることもあります。

つづく


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