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工房のお話

その1・井村工房創製のころ

井村工房の始まりについて、少しお話をさせていただきます。

多分S56,7年ころだったように思います。当時私は35,6才でした。
私の住んでいる所は、愛媛県の久万(くま)高原町という所です。
久万高原町は昔から、杉・桧(ひのき)の林業地帯として有名な所で、
現在も地元に大きな原木(げんぼく)市場があります。

一つづつ名前を挙げてみますと、
久万広域森林組合久万市場(多分日本一大きな森林組合です。)
愛媛県森林組合連合会久万山木材市売場、
民間の久万木材市場
と、3つの大きな原木市場を有する町です。



 

S46年2月、私と妻が25才のころです。
植栽した苗木の手入れに来ました。
積もった雪で地面が白いので
遠くの苗木が写っています。
 

この地で私は23才のころより、林業の仕事をしていました。

杉や桧の苗木を山林に植栽して、
夏になると来る日も来る日も、
6月~9月ころまでは山林の下草(したくさ)刈りです。
大変暑い日や、雨の日もありますが、
雨が降ると、カマの切れが良いのと多少涼しいので休みません。

お天気の良い日は、生い茂った下草を刈っていると
突然ハチが飛び出して、手や顔を刺されます。
でも、汗を流すと大変気持ちの良いものです。

自然の中で一生懸命に仕事をすると、
お腹が減って弁当もおいしくいただけます。
また、休みの時の谷川の水は、冷たくて大変おいしく、
谷の冷気が体を冷やして、安らぎを与えてくれます。

秋の彼岸ころから雪の降る季節は、
優良な無節(むふし)の柱材を生産する為に大切な
枝打ち(えだうち)の作業があります。

山林の所有区分は、一般の方には分かりにくい所がありますが、
慣れると、林の生態系の違いで、
山林ごとの境界線は自然と分かってくるものです。


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