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ウチ的人工言語とは?

だいたい、人工言語ってどういう事?
 ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 人為の無い自然言語に対して、既に母語を持った者がその主観に基づいて組立てた言語(の様なモノ)。計画言語とも呼ばれます。
 本来は普遍的意志疎通ツールであるべき。この様な趣味は外国(他民族)と直接国境を接した国家(民族)が多い欧州方面で盛んであり、我が国ではずっと少数派でしたが(当方は1980年代頃から)、趣味の認知が進んでそれなりに見られる様になりました。

 なぜか多くは不整合にぶつかってしまうのが特徴です。宗教的な理由から(例えばバベル以前の言語を求めて)作ったり、究極の言語を求めて作ったりする○○(ウマシカ)も居るそうです。
 ただし、パッと出来てはサッと消え、という責任感情の薄いサイトも少なくなく、とは言えむやみに流行らせる訳にも行かない(一億総人工言語になったら…(((( ゚Д゚)))))難儀な趣味です。


存在意義

 よく、アプリオリだとかアンポンタンだとか知りませんが、聞き慣れない用語を並べて悦に浸る風体のページがありますが、ウチでは学校文法用語以外はなるべく避ける様に心掛けています。
 (一般大衆が判らん様にしてどうすると思うゆえ・そう言わざるを得ない場合を除くよ)

 何やら喧しく論争ばかりし合って、全く生産的でなく自説を滔々と(自分の母語で)並べ立てるのはけっこうですが、そんな事よりも百語で良いからモデル言語でも作ってごらんなさいな。なんて事言うと一億総人工言語か。
 結局はどんな「作品」にせよ、善し悪しは見る者が決める事であるので、本当に良い物は何もしないでも広まろうし、ダメなものは何をどうしてもダメ。

 特に2000年代中盤に至り、大量に跋扈して勝手に消えてる迷惑さんたちが少なくない。


言語タイプ

 聞き慣れぬ表現ですが、要するに日本語型か否かという感じです。外面的には語順の問題、内面的に文法の問題を含んでいます。当サイトでは:

 [日本語型]
ムンビーナ語
トルキィ
ガハムキセラ
 [印欧型]
ラングォ・コモーノ
ピェトラ人の言語
 [分類不明]
カゥ・アト
イナハー
 [ただの暗号]
モ号符丁

 日本語型は語順が原則的に日本語と同じで「A=Bだ]型の文法を持ちます。
 印欧型は語順は概ね英語風味(SVO言語)、格変化や人称変化を持つものもあります。
 分類不明とは、既製の言語からかけ離れた性質を持ったものです。
 ただの暗号とは、使用範囲の狭い決まり事の集まりに過ぎません。

作成原理

 人工言語は一種の暗号でもあるので学習し易くなければならないのですが、人類全体にかかる様な普遍的な方法は未だ見出されていません。
 ここでは当方における言語作成原理から、その事について再確認したいと思います。

単語・言い方

 単語数は、人工言語をツールと割り切れば、習得までの労力と反比例するので少ない方が良いと考えます。当方では、普通の日本人が何となく知ってるだろう英単語の数、概ね2〜300語が妥当ではないか、と考えている次第です。
 単語数の絞り込み手段として、第一に総合語のみの採用が挙げられます。

・「総合的な単語の取得」→「スズメ・ツバメ・カラス…」は無く「鳥」だけ。
・(補足情報で弁別出来れば更に良い)
・「品詞の転換」→語尾を追加する事で、「目+する→見る」など。
・「上位語を使わない」→「見舞う」なら「『見る』為に『行く』」等に分析する。
・「基本語の転意」→「目」を「カメラ」、「口」を「スピーカー」等。

 文章そのモノの単純化。カタコト読みから逐次置換えて行く方法です。
 これは人工言語に限った事ではなく、英語学習などでも応用出来ます。「訓読み語(ひらがなことば)」を多く使うと自然にそうなります。
 概ね、訓読み語で文語(漢文)調に言え(書け)ば、単語数が自ずから少なくなる様です。

 例:「コイルには逆起電力によるリアクタンスがあって交流を通しにくい。」
  →「ひも−わ(のなか)に さかさ な エレキ つくるの ちから = あるの そして、
 なみ−エレキを とおすの = つらいの なり。」
 (やや意味がズレる事も・「エレキ」は訓読み相当・「ビリビリ」でも可)

 言い方の工夫。日本語に逐語訳しようとすると、何だか判らなくなる事があります。もっとベタに訳しても良い訳です。

 「可愛い女の子は何人いても良い。」
 → mae'uo bana kumamieh yun banah uo ba. 「可愛い女の子が多いのは快い。」
 → mae'uo bana kumamieh tittat si yunnae ba. 「可愛い女の子は常に足りない。」
 → uo kumamie, yun, uo! 「イイ女の子、いっぱい、イ〜!」(カタコト)
 → Nemo malus beletain! 「美少女(複数)を嫌う者は居ない(誰が嫌うか)!」(印欧語風)

複数人数(追加)
←「どちらがお好み?」的な事を言っている様ですが、

ae-munh uo ba hae? 何(いずれ)人が 好 也 や?
cuiuon di uolus? どっちを 汝 欲する?

 「どっち」でなく「誰」もしくは「何」なのでした。
(ムンビーナ ae は「?」に過ぎない、「数」は不問)
 割り切り過ぎにも程がありますが、理論的分析的に理解出来ればどうにかなる(かも知れない)一例として。
(ラングォ・コモーノ cuocu-iu-o 比較級にて「どっち」となるが、やはり「人・モノ」等を区別しない)

 例えば「エンジンをかける」をムンビーナでは tin-ut bu ut-au. 「エンジンを出す」の様に言います。かける前のエンジンをただの鉄の固まりと見て、かかったらエンジンとして「出現した」と考える訳です。逆は当然 tin-ut bu in-au. 「エンジンをきる(消す)」です。
(つまり、スイッチ等の ON, OFF を ut-, in- 「出す・消す」で言っているという事)
 この様な「超」合理用法も単語減らしに一役買っています(多分)。

文法

 まず最初に、言語を作るなどと高邁な思考を持った者は、せめて中学程度の文法要領・用語を身に付けておく必要があります。知ったかぶり、という意味ではなく必然です。
 例えば、文法用語(名詞・動詞…)、終止形と連体形の違い、自動詞と他動詞の違い、等。
 そうでなければ、例え単語を十万百万作っても上手くは行かないでしょう。
 また、名詞系と動詞系の「重み」の違いを理解すべきです。(これは説明が難しい)

 日本語型の言語では「A=B也。」型の文法を採用しています。
 また動詞を、基本的に名詞と重みが近い「連体形」で運用しています。
 そうする事で、込み入った文型でも単語を並べればどうにか判別出来る文になるからです。
(名詞系は並べるだけで片言文章になれるが、動詞系は基本的に一文に1個である)

 例えば「水が飲みたいです。」は「水 = 飲みたいモノ 也。」と分析出来ます。「飲みたいモノ」は、そういう性質を持ったモノを表す(ちょっと長い)名詞なのです。

 「来た。見た。勝った。」(動詞系3つ)は3つの「文」ですが、「来るの、見るの、勝つの。」(名詞系3つ)だと「来て、見たんだけど、勝ったの。」の様(1つの文)にも読めます。

 現時点では「は」と「が」の区別(既知と未知の絡み合い)を差し控えています。ただし、「を」を使う用法で言い換え可能な場合はそうします。

・「水飲みたい」→「( 水 = 飲みたいモノ ) 也。」という評価文(「飲みたい」は名詞)
・「水飲みたい」→「水」は「飲みたい」の目的語(「飲みたい」は動詞)

断定連体と所有属性に関する考察dummy 「〜の(形容・属性)」に当たる助辞を、単語数からあえて欠いている場合があります。
 無くてもどうにかなるからですが、それでは頼りないので一応の区別の方法は考えています。
 (日本語その他、自然言語でも混用が激しいから)

 形容の「の」は断定の連体「〜な、〜なる」で表します。

 所有・属性の「の」は無印、または「〜から」「〜で」、または直接的に「〜が持つ・と共にある」で表します。

 例:「女の絵」
・「女な(る)絵」→「女=絵」(画像が「女」・所有者不問)
・「女が持つ絵」→「女≠絵」(所有者が「女」・画像不問)

 その他の場合は素直に「女の描いた絵」とか、具体的に言えば良いのです。

時制

 時制は、ほとんどの言語で極めて原始的な二分法を採っています。
 「現在」は「過去」の結果であって時間の切り口であり、「未来」は一切が不定です。
(「未来」と「非未来」の対立という言い方もある)

 ラングォ・コモーノのみ、印欧語の建て前の故に、過去・現在・未来になっています。


その他

 人工言語では、慣用句の類の欠乏があります。(文化を伴ってないので)
 「時間軸」と「空間」については確定させている大系があります。
 つまり日本語で言う「まえ」「さき」「あと」といった単語群ですが、空間では

 「まえ=前方」
 「さき=端っこ、一つ早い順番」
 「あと=後方」

 …と定まっています。しかし時間軸では

 「まえ=過去、(または進むべき方向として)未来」
 「あと=未来、(回想として)過去」
 「さき=一つ早い順番、未来の事」

 …という風に、混乱を来しています。
 このサイトでの言語では全て時間軸と空間を一本道に単純化して

「あと=後方=過去」 「まえ=前方=未来」
──────────── ─────────→時間
現在

 …としています。「さき」に該当する単語は作っていません。
 逆に「新しい」と「次の」を一緒くたにしている言語がありますが、悩ましい所です。

 現実的に時間は過去から未来へとしか流れない一方通行なので、「さき=直前」は「最後の」で、「次」は「最も近い」で、それぞれ表す事も出来ます。
(英語の last, next 等、参照)

 その他、ムンビーナ語で頻出する慣用合成語;

・「金銭」を「お足 u-at 」(日本語由来?)
・「機械」を「木石 kuo-it 」(原始的な織物機械?)
・「名前」を「口の物 kut-ie 」(口にするモノ?)


実在人工言語

 有名なのはやはりエスペラントでしょう、ここであれこれ申すまでもなく一定の成功を得ている人工言語。また各種のピジン言語も一種の人工言語と言えるかと思います。
 当方が近年になって取り組んでいる対象として「トク・ピシン」があります。
 パプアニューギニアでの英語ベースのピジン言語だったモノがクレオール化(母語世代出現)して更には国家の公用語となった面白い経歴の言語です。
 トク・ピシンを勉強していると、もう人工言語なんて要らない、これでイイじゃん的な発想をウッカリとしてしまいます。

Long bihain tumas, taim ol pikinini bilong mipela bai go long narapela ol sta long livim nupela laip, ating ol mekim toktok narapela narapela long "Tok Pisin".
「遠い未来、私たちの子孫が新しい生活のために別の星々へ行った時、互いにトク・ピシンで話しているかも知れません。」

Or, New-Speak. BIG BROTHER is watching you.


関連項目

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