曇りのち晴れ・・・・・エッセイ集
毎日の日記とミニエッセイで綴った句集・・・・・・5月の章
カーネーション
五月の第二日曜日は母の日ですが、母の日と言えば誰でも思い出すのが、カーネーションの花です。1908年にアメリカで始まったとされているこの記念日は、アメリカのー少女が、亡き母の霊前にカーネーションの花を手向けて供養したことが始まりで、以来、母のいる人は赤いカーネーションの花を胸に飾り、母のいない人は、白いカーネーションの花をやはり胸に飾り、母の愛に感謝し、冥福を祈る慣わしになったということです。日本でも、今ではカーネーションの花は、母の日にかかせないプレゼントとなりました。子供の頃、胸に付けたカーネーションの花に、お母さんありがとうの言葉をそえた小さなリボンが下がって付いていたことを思い出します。女の子二人姉妹の私は妹とおこずかいを出し合い、母の日にはカーネーションの花とエプロンをプレゼントしていました。大人になり嫁いでいる現在では、花キューピットとやら言われるデパートやお花屋さんの宅配便で、千葉の母の家まで届けてもらっています。そんな記念日でもなければ、普段の感謝の気持ちを形に表すことは照れ臭いせいでしょうか、なかなか難しいものです。アメリカからの風習ですが、どうやら日本の私にも、とても良い記念日の習わしとなっています。
山の顔
山には山の顔があり、山の機嫌は変わりやすいと良く言います。ことに日本のスイスと言われるアルプスの山々を見晴らす高原の山々は、便利さや合理性とは懸け離れた人の予測出来ない顔をもっています。雨の多い5月〜6月の季節。しとしと降る雨に緑は鮮やかさを増し、土の匂いをじかに嗅ぐことが出来、夏鳥のコーラスが響き渡って聞こえ、鹿や狐などの動物たちが時には顔を出します。野には、鈴蘭や躑躅が百花繚乱と咲き誇っています。山での暮らしを垣間見ると、朝起きたらすぐに、まず空と雲を見るそうです。それが天候を知るための毎朝の日課だと、山に住む方は言います。それが、山の生活の基本だそうです。得に、この時期は天候がよみにくいので、敬遠されているのかと思いましたが、ところが予想に反して、この梅雨の季節は、山の暮らしの中で、最も躍動感があり、生き生きとした顔を見せる季節なのです。小雨降る高原の道を都会から車を飛ばし、5月のある週末たどり着いた夫婦を迎えてくれるのは、パンが美味しいと有名なとある高原のホテル。ロビーからの夕暮れの景色は、黄金色に美しく染まる山の顔でしょうか。兎に角、週末に予定してある山への旅行が、今からとても楽しみです。
端午の節句
五月五日は端午の節句。奈良時代には、この日、女性が菖蒲と花橘を交えた玉むすびをかざして邪気をはらい、その髪かざりを男性に贈り、その人の長寿を祈った、女性達の神事だったという説もあります。また、平安時代には、王朝貴族の間で菖蒲の根の長さを競う「菖蒲の根合わせ」という遊びがあり、菖蒲湯につかる風習もすでにあったとされています。この端午の節句が、何時頃から、男の子の神事となったのかは、どうやらさだかではないようです。武家の時代に、菖蒲が「尚武」あるいは「勝負」に通じるとして、その縁起を大切にしたからであろうと言われています。時代の移り変わりとともに、男女の神事も移り変わり、また転じて、この平成の時代には、子供の日と定められ男女の区別なく子供達の健やかな成長を願う国民の祝日となっています。今のこの風習も長い年月の間には、少しづつ移りかわってゆくのでしょうか。刻の流れとは、儚く切ないものだなぁと、つくづく思います。
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