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歳時記手帳

無花果のジェラード :上野貴子


無花果の渋さに終わる第二章


無花果で簡単なゼリーを作ろうとしたのですが、どうしてだか上手くいきません。無花果は、甘さを控えた大人の果物ですから、ゼライスでかためるのは簡単だろうと思ったのですが、分量のせいか、どうしても固まらないのです。以前レモンでも同じような失敗をしたので、今度もやはり同じように酸味の問題なのかもしれません。

無花果には、他の果物よりもビタミンが多いので、女性には好まれると聞きます。この頃の美容と健康のための話題としても、体に好い御菓子作りは、よく使われています。なのにゼライスとの相性があまり良く無いとは、今回初めて気が付きました。

無花果そのものは昔からありますが、ゼライスはそう大昔からの食材では無いので、どうも、そのへんの兼ね合いが上手くいかないとしか考えられません。
  日本では、果物はほとんどが生のまま食べます。皮を剥いたり、種を取ったりして、食後のデザートとしてそのまま切って食べます。西洋のようにいろいろな料理に使ったり、火を通して御菓子にしたりは、なかなかしません。ですから、この無花果も、ぷちぷちとした独特の食感をそのまま味わうものでしょう。最近は乾燥させて、干した果物として、いろいろな御菓子に使われているようです。やっぱりゼライスとの相性の問題ですね?

今年は無花果とは、そのままではゼリーに向かないと言うことをひとつ勉強しました。もしかしたら軽く水煮にすればゼリーになるのかもしれません。その辺は来年のお楽しみに取っておくことにしましょう。




                 (「おしゃべりHAIKUの会」会報2012年10月号掲載より)